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「第20回全日本ロボット相撲 近畿大会」レポート
~強豪がひしめく関西から、27台が全国大会へ進出


熱戦!! 第20回全日本ロボット相撲近畿大会
 9月28日(日)に、大阪府泉佐野市にある大阪府立佐野工科高等学校において「第20回全日本ロボット相撲 近畿大会」が開催された。主催は富士ソフト株式会社。当日は泉佐野の駅前で、だんじりが勇壮なやりまわしを披露する「ザ・まつり」が行なわれていたが、大会会場となった体育館は祭りに負けない熱気に溢れていた。

 9月21日(日)に行なわれた東海大会に続き、2008年度の地区大会はこれで5回目となる。地区大会は毎年8月末~10月にかけて全国9会場で実施され、大会は開催地区の高校生のみに出場が制限される「高校の部」と、誰でも参加できる「全日本の部」に分かれて行なわれる。また、各部門にはコンピュータを搭載して戦う「自立型」と、ラジコン操縦で戦う「ラジコン型」があり、それぞれに分かれてトーナメント戦を行なう。

 全国大会は、高校の部を11月2日(日)に第18回全国産業教育フェア大阪大会の一環として大阪市中央体育館にて開催。全日本の部は、12月21日(日)に国技館で開催される。各地区大会を勝ち抜いて全国大会に出場するのは、高校生の部が64台、全日本の部が128台だ。

 今大会にはトータルで1,474台のエントリーがあり、近畿大会には高校の部に自立型27台、ラジコン型28台、全日本の部は自立型107台、ラジコン型71台の計233台がエントリーした。

 開会式で、社団法人全国工業高等学校長協会副理事長の久保和幸氏(大阪府立淀川工科高等学校長)より、「フェアプレイ精神、知恵と技術の向上、安全第一を心がけて心技体のエンジニア精神で力一杯戦ってほしい」と挨拶があり、全国大会出場を目指す試合が始まった。


近畿大会会場となった大阪府立佐野工科高等学校 会場では、早くから受付開始を待つ選手達が列を作っていた ピット内は足の踏み場もないほどの混雑。この後も続々と参加者がやってきた

第20回全日本ロボット相撲近畿大会 開会式 土俵はA~Fまであり、各部門のトーナメントが同時進行で展開される 【動画】6つある全土俵で一斉に第一試合が始まった

アイデアと技術で、全国大会出場権を目指す

 出場ロボットは重量3kg以内、サイズは試合開始時の幅と奥行きが20cm以内と定められているが、高さには制限がない。試合は直径154cmの鉄板土俵上で、3分間3本勝負で行なう。一方のロボットが土俵から落ちた時に勝負がつき、時間内に2本先取した方が勝者となる。

 近畿エリアはロボット相撲の層が厚く、特に自立型には全国大会で名を馳せる強豪が多い。ロボットのタイプも高速知能型、低速パワー型、アーム型とさまざまだ。

 多くのロボットは磁石で土俵に吸着させ、タイヤの空回りを防いで推進力を上げている。相手ロボットを土俵外に押し出すためには、なによりも大きな推進力とスピード、パワーが必要だからだ。また、吸着することで相手ロボットから押し出されにくくなるメリットがある。

 また互いに吸着していると、パワーだけではなかなか勝負がつかない。いかに相手ロボットの下に潜り込み、車体を浮かせるかが勝利のポイントになる。そのためロボットの前面には鋭いブレードがつけられているのだが、ロボットがぶつかり合った時の衝撃で、ブレードの刃が欠けて飛散した場合に怪我をする危険があるため、参加者はゴーグルと手袋の着用が定められている。また、ブレードの刃が大きく欠けた場合、そのロボットは失格となる。

 一方、アーム型ロボットは基本型に長いアームを取り付けている。相手ロボットをアームの中に囲い込み押し出すパワータイプの他、アームに羽をつけて相手のセンサーを惑わすタイプがある。相手ロボットが羽を目掛けて飛び込んできたら、すかさず相手のサイドを突いて攻撃する作戦だ。

 ロボット相撲は立ち会いの数秒で勝負がつくことが多いが、試合をいくつも見ているとロボットのタイプにより特有の戦略傾向が見えてきて面白い。


相手ロボットの下に潜り込み、吸着力を弱めて一気に押し出す アーム型ロボットは白い羽で相手のセンサーを惑わせて、サイドを突く戦略 【動画】上方から見ると、ロボットが白い羽に反応して突進しているのがよく分かる

ブレードを下に潜り込ませ、前方の爪で相手ロボットを押さえ込みながら押し出す作戦 ラジコンには珍しいアーム型ロボット。相手を囲い込み、パワーで押し出す ラジコンプロポの誤動作がないか、試合前に土俵際でのチェックは必須

 高校生の部の決勝は、ラジコン型・自立型共に和歌山県立紀北工業高等学校の対決となった。ラジコン型は、紀北疾風迅雷と紀北牙突零式が決勝で対決し、紀北疾風迅雷が飛び込んできた紀北牙突零式をそのまま押し出して優勝を決めた。

 一方の自律型決勝戦は、紀北難功不落と紀北ABCの対戦。1本目は、両ロボットのパワーとスピードが拮抗して押し合い、互いに一歩も引かず2回取り直した。そして3回目の取り直しで、紀北ABCが土俵際にロボットを置き、遠くから攻め込む戦術に切り替えた。一方、紀北難功不落はロボットが動かず、紀北ABCが紀北難功不落の後方へ回り込み、そのまま押し出した。紀北難功不落のロボットはその後も不動となったため、2本目は不戦勝で紀北ABCの優勝が決定した。


【動画】高校生の部・ラジコン型3位決定戦、蓬莱(大阪府立佐野工科高等学校、左)vsALS(大阪府立城東工科高等学校)。パワーが拮抗し、ALSが煙を吹いた 【動画】高校生の部・ラジコン型決勝。紀北疾風迅雷(左)vs紀北牙突零式 高校生の部・ラジコン型で優勝した紀北疾風迅雷

高校生の部・自立型決勝。紀北難功不落(左)vs紀北ABC 【動画】紀北ABC(右)が不動の紀北難功不落を押し出して優勝を決めた

 全日本の部のラジコン型決勝は、迅雷(香川県立高松工芸高等学校)とBLast(香川県立三豊工業高等学校)が対戦した。

 1本目、勢いよく動きだした両ロボットが土俵中央で激しくぶつかり合うと、反動で両機が土俵両側に飛び出した。判定は同体で取り直し。取り直しは、両者とも狭い土俵内で素速く動き回り、互いに相手の隙を狙った。そしてBLastが迅雷の後ろを取ったのだが、攻め込む瞬間に迅雷がうまく身をかわし、勢い余ったBLastが土俵外へ自ら落ちてしまった。2本目は土俵中央で切り結んだ後、BLastが体勢を整えようとする前に迅雷が鋭く攻め込んで、BLastを土俵外へはじき飛ばした。スピードと迫力ある取り組みに、観客席からも1本毎に感嘆のため息が洩れた。ロボット相撲の魅力に満ちた迫力ある一戦だった。

 自立型の決勝戦は、迅帝(四日市中央工業高校ロボット研究部)とゴアヘッド猛(チーム両国)の組み合わせとなった。

 1本目は、迅帝のブレードがゴアヘッド猛の下に入り込んだものの、押し出すことができずに膠着状態となり、取り直しになった。その取り直しでは、突進した迅帝が勢いあまってゴアヘッド猛の上に乗り上げてしまい、押し出された。2本目、迅帝がゴアヘッド猛の前面右端から攻め込み、相手が体勢を崩したところを細かく突き進んで押し出した。1対1で迎えた3本目は、迅帝が右サイドへ狙ったように突っ込み、ゴアヘッド猛を派手に吹き飛ばして勝利した。迅帝チームの2人は、1本取るたびに「おっしゃー!!」と、気合いが入った声を上げていた。


【動画】全日本の部・ラジコン型決勝。迅雷(左)vsBLast。ロボット同士がぶつかり合い、はじけ飛んだ 【動画】2本目。両ロボットが素早く土俵内を動き回る。操縦者の一瞬の判断で戦況が変わる 【動画】3本目。体勢を崩したBLast(右)の隙を迅雷が激しく突き、豪快に勝利を決めた

【動画】全日本の部・自立型の決勝戦、迅帝(左)vsゴアヘッド猛。乗り上げた迅帝を、ゴアヘッド猛が押し出して1本先取 【動画】全日本の部・自立型の決勝戦、迅帝(左)vsゴアヘッド猛。乗り上げた迅帝を、ゴアヘッド猛が押し出して1本先取 全日本の部・自立型で優勝した迅帝

近畿地区大会から全国大会出場権を獲得した選手達
 近畿大会から全国大会出場権を得たのは、高校の部からは自立型・ラジコン型それぞれ4台、全日本の部は自立型9台、ラジコン型8台だった。

 また、今年は高校の部の全国大会が大阪で実施されるため、開催枠として大阪府代表が選出された。選ばれたのは、ラジコン型が銀色カイザー(大阪府立淀川工科高等学校)、自立型がデジタル(大阪府立今宮工科高等学校)の2台だ。

【高校の部】
・自立型
優勝:紀北ABC(和歌山県立紀北工業高等学校)
2位:紀北難功不落(和歌山県立紀北工業高等学校)
3位:天守閣(大阪府立淀川工科高等学校)
4位:GIRUDO(兵庫県立飾磨工業高等学校)

・ラジコン型
優勝:紀北疾風迅雷(和歌山県立紀北工業高等学校)
2位:紀北牙突零式(和歌山県立紀北工業高等学校)
3位:蓬莱(大阪府立佐野工科高等学校)
4位:ALS(大阪府立城東工科高等学校)

【全日本の部】
・自立型
優勝:迅帝(四日市中央工業高校ロボット研究部)
2位:ゴアヘッド猛(チーム両国)
3位:雷電(四日市中央工業高校ロボット研究部)
4位:振電(四日市中央工業高校ロボット研究部)
5位:桜(四中工ロボット研究部OB会)
6位:せんと後くん(京都府立京都高等技術専門校)
7位:烏丸(京都府立京都高等技術専門校)
8位:紀北VER4(KIHOKU-T.H.S.-OB)
9位:楢人NR(チーム両国)

・ラジコン型
優勝:迅雷(香川県立高松工芸高等学校)
2位:BLast(香川県立三豊工業高等学校)
3位:I-fast(香川県立三豊工業高等学校)
4位:流鬼(香川県立三豊工業高等学校)
5位:神撃(四日市中央工業高校ロボット研究部)
6位:陽炎(香川県立三豊工業高等学校)
7位:ラインスピア(MTY-OB's-)
8位:紀北生産(紀北工業高等学校生産技術部)


URL
  全日本ロボット相撲大会
  http://www.fsi.co.jp/sumo/index.html
  富士ソフト株式会社
  http://www.fsi.co.jp/
  社団法人全国工業高等学校長協会
  http://www.zenkoukyo.or.jp/

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( 三月兎 )
2008/10/01 14:52

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